10月5日、4人の宇宙飛行士を乗せたSpace Xのクルードラゴン「Endurance」が、ファルコン9ロケットでケネディ宇宙センターから打ち上げられました。打ち上げは成功。乗組員である、NASAのニコール・オーナプー・マン宇宙飛行士とジョシュ・カサダ宇宙飛行士、Roscosmosのアンナ・キキナ宇宙飛行士、そして日本からはJAXAの若田光一宇宙飛行士が、現在国際宇宙ステーションでそれぞれのミッションにあたっています。一見スムーズに見えた打ち上げですが、実はその裏で髪の毛たった1本でちょっとした問題が発生していました。
米Gizmodoが、ジョンソン宇宙センターの宇宙船管理担当者のTom Simon氏に電話取材したところ、こう語ってくれました。「職についた初日から、FODについては厳しくトレーニングを受けます。髪の毛、ほこり、鉛筆やペーパークリップなど、ちょっとしたものに見えますが、少しずつ歪みが生じていくのです。どんなに小さなものでも真摯に対応するよう、日頃からシステムを作っています」
クルードラゴンのNASAエンジニアであるJohn Posey氏も「FODはシステムに組み込まれています。トレーニングではトップリスクとして扱っています。ロケットや宇宙船を墜落させる可能性がありますからね」と取材に答えてくれました。Simon氏もPosey氏も、今回の打ち上げで髪の毛除去作業を行なったのは当然だと言います。特にハッチ周りだったため、どんなに小さなものでも挟まって欲しくないとのこと。 Space XのFOD関連ポリシーの詳細はさすがに教えてくれなかったものの、打ち上げ直前で時間が限られている場合は、FOD発見の可能性もタイムラインに考慮すべきこと、FODの被害によっては、すぐに裁縫や裁断などの修復作業がはいることもあるということ、作業はクリーンルーム内で必要なことだけを行なうこと、などいろいろな話を教えてくれました。スペースシャトル時代、Posey氏は、技術者と何千時間もかけてリスクがないか確認したという経験も語ってくれました。
中でもおもしろかったのは、髪の毛や糸くずだけでなく、シューズカバーが落ちていることもあるという話。作業中に、何かの弾みでスタッフの足からぽろりすることもあるんですって。もちろんFODとして撤去されます。クリーンルームに入る前に不必要なものはロッカーに預け、「バニースーツ」と呼ばれるヘアーネット付フードのある全身スーツを着こみます。ヒゲも専用ネットで覆い、足元にも専用カバーを装着します。床には粘着パッドがあり、落下した「不純物」をキャッチ。クリーンルームのドアはもちろんダブルドアで、途中でエアー洗浄がはいります。 あらゆる努力をしても、FODゼロにはならないという考えでミッションにあたるそうですが、近年、レントゲンやCTスキャン、カメラの力によって、バーチャル点検が可能になり、FOD探索技術は向上しているそうです。
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