北海道から宇宙開発を目指す 東海大の学生が小型ロケット打ち上げに成功
使用されたロケット「H-57」は、固体燃料と液体の酸化剤を使うハイブリッドロケットという比較的安全なタイプで、エンジン「THR」シリーズは2005年に独自開発したものです。固体燃料にはワックス、推進剤には液化亜酸化窒素を使い、推力は660ニュートン。プロジェクトには、その上の1キロニュートン級、2キロニュートン級のエンジンもあり、57回の打ち上げ実績を誇ります。
機体には、コストダウンと再利用を考慮した工夫が各所に盛り込まれています。たとえば、このクラスのロケットではノーズコーンの分離は火薬で爆破させて行うのが普通ですが、東海大学のロケットは火薬を使わないバネ式で、分離機構は再利用が可能になっています。前回の打ち上げではノーズコーンが脱落してロケットが空中分解してしまったため、今回は強度を高めた改良版が使われました。機体はモジュール式で、部品の再利用やミッションに応じた組み替えが可能です。 現在、同プロジェクトは、中期目標として高度10キロメートルを目指すロケットの開発計画を策定中とのことです。「限られたリソースをもって最短で目標を達する」ために、必要な技術を洗い出し、開発時間を見積もるとしています。日本の商用大型ロケット開発はH3の打ち上げ失敗で大きくつまづいてしまいましたが、こうした民間の地道にして工夫に富む、迅速な開発力に大きく期待したいところです。北海道スペースポートのような、学生プロジェクトにも使いやすい実験場もまた、こうした活動の大きな推進力となるでしょう。ロケット開発の足下は、着実に固まってきています。
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