全日本柔道で斉藤が初の親子日本一 20歳が世代交代の号砲鳴らす 五輪2連覇の故斉藤仁氏と大会史上初の親子制覇。20歳で初めて全日本王者と世界選手権代表になった斉藤立は、「まだまだ自分は挑戦者」と謙虚に優勝旗を受け取った。
体重無差別で争う柔道の全日本選手権は29日、東京・日本武道館で世界選手権(10月、タシケント)男子100キロ超級代表最終選考会を兼ねて行われ、20歳の斉藤立(国士舘大)が決勝で影浦心(日本中央競馬会)に延長の末に競り勝ち、初優勝した。世界選手権代表にも初選出された。世界王者の影浦との決勝は14分を超える死闘になった。「最後は気持ち」。斉藤は試合に敗れると、支えてくれた人たちが悲しむ姿を想像してしまうといい、「きついときも、俺は絶対負けへん。勝って恩返しするんだ」と前に出る。決勝も有言実行だった。最後は足車で技ありを奪って決着をつけた。会場で見守った母の三恵子さんは歓喜の涙を隠せなかった。父は全日本9連覇の山下泰裕氏の壁に阻まれ、全日本王者より先に、五輪金メダリストと世界王者になった。「エベレストには登ったが、まだ富士山には登っていない」と心境を語ったこともあった。
世界より先に全日本を制した愛息に、三恵子さんは「次はエベレストに登ってもらいたい」と期待した。パリ五輪は2年後に迫る。「パリにしっかりピークを持って行きたい」。日本の最重量級を背負う覚悟はできている。(田中充)
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