仏陸軍が初めて日本で陸上演習 陸自、米海兵隊と共同訓練開始 仏軍は近年、中国の海洋進出に伴い、インド太平洋の安全保障に関与を深めている
陸上自衛隊とフランス陸軍、米海兵隊の共同訓練が11日、始まった。離島への上陸や市街地戦を想定し、17日までの日程で長崎県佐世保市の相浦駐屯地と、宮崎県と鹿児島県にまたがる霧島演習場で実施する。日本国内で3カ国の陸上部隊が本格的な実動訓練をするのは初めてとなる。
共同訓練は、仏軍が日本で陸上演習に初めて参加する機会となる。仏国防省のリュック・ドランクール国際関係・戦略総局副局長は先週の記者会見で「相互運用性を高め、日本との協力を円滑化する機会となる」と意欲を示した。 仏軍は近年、中国の海洋進出に伴い、インド太平洋の安全保障に関与を深めている。今年は特に活発で、今月4日には仏海軍のフリゲート艦シュルクーフが沖縄周辺で、海上自衛隊の補給艦ましゅうと洋上補給訓練を行ったばかりだ。 フランスは、太平洋にニューカレドニアなど海外領土を保有する。自国をインド太平洋国家と位置付けており、中国への警戒は強い。パルリ国防相は3月、仏上院で「中国は自国の価値観や制度を押し付けて、『航行の自由』などの国際規範をないがしろにするようになった」と発言。中国が台湾の防空識別圏への侵入を繰り返していることに触れ、危機感を示した。
一方、海自は今月11日から米仏豪の海軍と東シナ海で共同訓練も始めた。岸信夫防衛相は記者会見で「自由で開かれたインド太平洋のビジョンを共有する4カ国の協力関係を一層深化させたい」と述べた。(パリ 三井美奈)
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