今や主役と脇役の線引き曖昧…バイプレーヤーの歴史 <ニュースの教科書> バイプレイヤーズ
異色の映画「バイプレイヤーズ もしも100人の名脇役が映画を作ったら」が、4月に公開されます。往年の作品にも多くの名脇役はいましたが、今ではその個性ゆえにCM出演や番組司会者に抜てきされ、主演級の俳優より認知度の高い人も少なくありません。バイプレイヤー(脇役)のイメージも大きく変わりました。振り返ると、その変わり目にはスター俳優と名監督の確執がありました。【相原斎】
ひとくちに脇役といっても、助演級から「大部屋俳優」と呼ばれた端役まで、その幅は広いのです。「スター映画」が量産されていた全盛期には、総じて脇役はひたすら「引き立て役」になることを求められました。そのことを肝に銘じてこその、名脇役だったのです。東映の大部屋俳優だった岩尾正隆(78)川谷拓三(1941~1995年)志賀勝(1942~2020年)が「ピラニア会」と銘打った忘年会を開いていたのが始まりで、スター候補といわれながら芽が出ていなかった室田日出男(1937~2002年)や、小林稔侍(80)片桐竜次(73)成瀬正孝(71)らが加わりました。 脚本家の倉本聰(86)もこの軍団が気に入り、ドラマ「前略おふくろ様」(75~77年)に起用したことで、ピラニアブームが起こります。「バイプレイヤーズ」の出演者の例を挙げるまでもなく、今やドラマから情報番組、バラエティーまで幅広く活躍する「魅力的な脇役たち」の元祖といえるでしょう。「いつも『おい』『そこ』と呼ばれていたわしら大部屋俳優のことを、初めて名前で呼んでくれたのが深作監督でした」
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