【新着】ホイットニー・ヒューストンの音楽で育った世代は新作伝記映画をどう観るか? “彼女がいた時代”を振り返る
アメリカへの漠然とした憧れは、ホイットニーの曲を繰り返し聴くことで徐々に具体的なアイデアへと変化していく。というのも、彼女はとても聞き取りやすい英語で歌ったために、聞いている内に歌詞の意味を知らなくても口ずさめるようになった。自分が口ずさんでいる曲がどんな綴りの単語で、どんな内容なのかを知りたくて歌詞カードと睨めっこする日々を送っているうちに、自然と英語へのハードルが下がっていった。それから映画の字幕で勉強するようになって、いつのまにか留学するまでの英語力が備わった。だが、この頃は既にホイットニーは低迷期に入っていて、ボビー・ブラウンとの結婚をきっかけに彼女の乱れた私生活がタブロイド紙を飾っていた。声が安定していない人でも補正して上手な歌手にできるオートチューンができるより前に、完璧以上の音楽を届けてくれた唯一無二で天からの贈り物とされてきた “声”を大切にしていない様子は、多くのファンを失望させ、苛立たせた。1998年の『My Love Is Your...
そして、『I Look To You』のプロモートも兼ねたワールドツアー「Nothing But Love World Tour」。これは興行成績的には成功を納めたものの、途中退席する観客が後を立たなかったのは冒頭でも書いた通りだ。そして結局、彼女の完全な復活は成し遂げられないまま、48歳の若さでこの世を去ってしまった。先にも書いた通り、『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』はホイットニーが最も輝いていた時代を切り取った伝記映画になっている。 それでも筆者が苦しくなったのは、彼女がこの世にいない事実と、本作に収録されている代表作の数々が、自分自身を大切にすることや愛を歌っているにも関わらず、彼女が最後まで自分を大切にできなかったのかもしれないことを再確認したからだと思う。
一方で、栄光の日々に焦点を当てた作品が生まれたことで、彼女を知らない世代も彼女の魅力を知るであろう喜びも感じた。この映画の公開に合わせるように、2023年1月26日〜28日には渋谷Bunkamuraのオーチャードホールでホイットニー・ヒューストンのホログラムコンサートが行われる。ホログラムだと味気ない気もするが、ホログラムである分「Nothing But Love World Tour」のようなことにはならないだろうし、全盛期の彼女の声を再びコンサートで味わえるのなら期待がもてる。筆者はシドニーで行けなかったコンサートを取り戻すつもりでチケットを購入した。
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