2020年11月に発売が開始されたソニーの次世代ゲーム機「PlayStation 5(PS5)」は非常に需要が高く、「ゲーム機としては過去最大のスタートを切った」とPlayStation公式が述べています。ところが、PS5は世界的な半導体不足の影響で品薄状態が続いており、ソニーの十時裕樹最高財務責任者(CFO)が「供給不足は2022年になっても続く可能性がある」との見通しを明らかにしました。
ソニーは2021年4月末の2020年度第4四半期決算発表において、2021年3月31日までにPlayStation 4の初年度を上回る780万台のPS5を販売したことを明らかにしたほか、2021年度にはPS4の2年目実績を上回る1480万台超を販売する計画を発表しました。その一方で十時氏は、決算報告後のアナリストに対する説明会で、ソニーがPS5の需要に追いつくことは難しいだろうとの見通しを示しています。
十時氏によると、2021年中にPS5の需要が落ち着く可能性は低く、2022年により多くのデバイスを確保して増産体制に入ったとしても、供給が需要に追いつくことはできないだろうとのこと。PS4の累計販売台数は2021年3月末の時点で1億1500万台を超えており、市場シェアや評判を考えると需要が簡単に減少するとは考えにくいそうです。 2021年2月には、ソニー・インタラクティブ・エンタテインメントのジム・ライアン社長兼CEOが、「PS5の供給不足は2021年を通じて段階的に緩和される」との楽観的な見方を示していました。しかし十時氏の発言は、以前にソニーが発信した見通しよりも楽観的なものではなくなっています。
非常に高い需要があるにもかかわらずPS5の品薄状態が続いている原因として挙げられるのが、多分野における半導体需要の増加やCOVID-19のパンデミックなどが原因で起きた世界的な半導体不足です。Intel・NVIDIA・TSMCなどの半導体メーカーの重役らは、半導体不足が2021年中に解消される可能性は低く、最悪の場合は2023年まで続くかもしれないと