段ボール1箱を1日10円で保管、冷凍冷蔵なら40円──。少量・短期間で倉庫を利用したい事業者と、倉庫の空きスペースを活用したい倉庫会社をマッチングするシステムを運営するsouco(ソウコ、東京・千代田)が、分かりやすさを前面に出した価格設定でニーズをつかみ、事業を伸ばしている。ソウコが得意とする客は、これまで物流倉庫を利用してこなかった小口の利用者だ。例えば繁華街に店を構えるブティックなどは商
段ボール1箱を1日10円で保管、冷凍冷蔵なら40円──。少量・短期間で倉庫を利用したい事業者と、倉庫の空きスペースを活用したい倉庫会社をマッチングするシステムを運営するsouco(ソウコ、東京・千代田)が、分かりやすさを前面に出した価格設定でニーズをつかみ、事業を伸ばしている。
ソウコが得意とする客は、これまで物流倉庫を利用してこなかった小口の利用者だ。例えば繁華街に店を構えるブティックなどは商品を保管する際、近隣のアパートを借りて倉庫にしたり、トランクルームを利用したりするケースが多い。また駅前の不動産やクリニックなどは、大量の紙の書類やカルテを保管していることが多い。 繁華街や駅前など地価が高いエリアでは、店舗の賃料はもちろん、近隣のトランクルームやアパートの賃借料も高い。だが、小規模な商店などの場合、1件1件の荷物のボリュームは小さく、わざわざ物流倉庫を借りるほどではない。また倉庫側にとっても、小口の客は手間がかかるので、商売の対象としてこなかった。ソウコは、こうした小口の荷物に着目した。=NXHD傘下の)日本通運の倉庫の空きスペースを活用できる。その結果、費用はトランクルームよりも抑えられる」と中原久根人社長は説明する。カギは「使いやすさ」だ。通常、倉庫の利用料は立地や設備、預ける荷物の量によって異なるため、事前に見積もりをとって、複数社を比較するなど手間がかかる。そこでソウコは2021年から、全国一律で、段ボール1個当たりは1日10円、パレット1台当たり(幅110×奥行き110×高さ150センチメートル以内、750キログラム以内)は1日100円に設定した。冷凍冷蔵倉庫の場合は、段ボール1個が40円、パレット1台が220円となる。これに加えて、出し入れの料金がかかる仕組みだ。と提携し、倉庫から出し入れする荷物の輸送も一括して手
そこで22年、ネットで見つけたソウコのサービスを利用し始めた。「必要な分だけ少量でも預けることができる。店舗から倉庫への輸送だけでなく、イベント開催地への個別配送にも対応してくれるので非常に助かっている」(同)と話す。ソウコ利用前に比べ、保管料は3〜4割減ったという。 こうした食品以外にも、部品メーカーがつくり置いた商品を納入先の計画に合わせて出荷するための保管場所としてソウコを利用するといった製造業も増加。分かりやすい料金設定の効果は大きく、ソウコによれば22年度は問い合わせの数が前年度比で2.9倍、売り上げも3.