高校野球界に新しい風が吹いた――。第105回全国高校野球選手権記念大会で23日、慶応(神奈川)が、107年ぶり2度
栄冠に導いたのは「エンジョイ・ベースボール」の精神だ。関係者によると、慶応大で古くから提唱されていた。高校では1990年代に就任した前監督の上田誠さん(66)が米国留学時に個々に楽しむ本場の野球を目にし、「野球は上から押しつけるものではない」として、広く使われるようになったとされる。監督の指示が絶対とされた時代に異端ともいえた。森林貴彦監督が打撃マシンの球種を速球に設定しても、「最近は変化球を打てていないので変化球を多めでどうですか」と伝える選手もいる。それを監督は「自ら考えて野球をしている証拠」として受け入れる。今大会も打ちあぐねていた好投手への対策を選手たちで相談。集中打で逆転した試合もあった。結果の出ない年もあったが、ぶれずに方針を貫いてきた森林監督は「信念を持ってやってきてよかった」と言う。
ナインに丸刈りはおらず、この日も試合中、小宅投手は何度も髪をかき上げた。過去の甲子園出場時に「長髪はけしからん」と抗議の電話が学校にかかってきたこともあるというが、今回はネットなどを中心に好意的な意見が多かった。 旧来の高校球児像とは異なる今時の若者たちが成し遂げた全国制覇。試合後の取材で、大村主将は「高校野球の常識を変えたいと言って、笑われることもあったけれど、日本一になると頑張ってきた。つらい思いが全部報われたと思う瞬間だった」と胸を張った。慶応高校の最寄り駅、東急東横線日吉駅(横浜市港北区)近くの飲食店「HUB慶応日吉店」では多くの人が大画面で試合中継を見守った。優勝の瞬間には大きな歓声と拍手が湧き起こり、医師で同校OBという並木淳さん(64)は「文武両道を体現してくれた」と喜んだ。一方、仙台育英の宮城野校舎(仙台市宮城野区)では、生徒や教職員ら約100人がテレビ観戦しながら声援を送った。2年生の村瀬優大さん(16)は「胸を張って仙台に帰ってきてほしい」と選手たちをねぎらった。
慶応高校OBで歌手・俳優の加山雄三さんは「生きてるうちに母校が甲子園で優勝するなんて! 選手のみんな、監督、それを支えたみなさん本当におめでとう! みんな素晴らしかった、楽しませてもらってありがとう」とのコメントを発表した。
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