マウンドを降りたDeNA・東克樹投手(27)は、タッグを組む山本と軽くタッチを交わした。ベンチに戻って、腰を下ろしバスタオルで汗を拭いながら、天井を見つめ、一息吐いてから安堵(あんど)の表情を浮かべ
た。8回5安打無失点。6月1日の楽天戦(楽天モバイル)から続く連勝を12に伸ばして、83年の遠藤一彦の球団記録に並んだ。「今まで気にしないと言ってきましたが実感が湧きました。うれしいです」と笑みを浮かべた。12球団トップの16勝目をつかみ、CS進出に王手をかけた。
序盤の危機を切り抜けて波に乗った。2回の1死満塁では吉川を2球で追い込み、最後は外角への145キロで空振り三振に。3回の1死一、二塁は岡本和を遊飛、大城卓を左飛。「精神的に疲れました。相手(山崎伊)もいい投手で先制点を渡せない中でいきなり2、3回にピンチを。でも、調子は悪くなかった。押すところは押せた」と振り返った。4回以降は三塁を踏ませず102球で6K。16勝2敗、勝率は8割8分9厘とし、66年の堀内恒夫(巨人)のセ・リーグ最高勝率(16勝2敗)に並んだ。 連勝中に「祐大のおかげです」とタッグを組む山本に感謝を叫び、お立ち台に呼ぶ光景はおなじみとなった。この日もイニングの合間に着替えのためロッカーに入ったが「そこでも後ろについてきて。お母さんのようにああしろ、こうしろと口酸っぱく言ってくれた。祐大のおかげです」と同期入団で年下の最強パートナーに感謝を伝えた。
がむしゃらだった新人の18年に11勝を挙げたが、白星の重みを感じている。「カード頭を任され、重要な試合での登板が多い。そこで勝てているというところは僕にとっては財産になる」と自身で成長を感じ取っている。【記録メモ】▼…東(D)は12連勝で今季16勝目(2敗)。勝率は・889になる。規定投球回以上で、勝率・889以上は13年24勝0敗の勝率10割の田中将大(楽)まで延べ10人が記録しているが、東がこのままの勝率・889をキープすれば、セでは66年16勝2敗の・889の堀内恒夫(巨)と並ぶ最高勝率になる。 ▼…12連勝は21年15連勝の山本(オ)以来、セでは20年13連勝の菅野(巨)以来になる。左腕では03年12連勝の井川慶(神)以来だ。DeNAで12連勝は、大洋時代の83年に12連勝の遠藤一彦に並ぶ球団タイ記録だ。