史上７校目の夏連覇を狙った仙台育英（宮城）は慶応（神奈川）に敗れ、東北初の２連覇を成し遂げることはできなかった。慶応が１９１６年の第２回大会以来、１０７年ぶりの甲子園優勝を果たした。
大一番の先発を任されたのは、今大会４度目の先発マウンドとなった湯田。準々決勝、準決勝と無失点投球を続けていたが、初回から慶応打線に捕まる。１番・丸田に夏の甲子園の決勝では初となる先頭打者本塁打を許す。その後も安打と四球で２死一、二塁とすると、６番・渡辺千を遊飛で打ち取ったように見えたが、遊撃手・山田が打球を見失うアンラッキーな適時打となり、初回だけで２点を献上。２回も四球からピンチを招くと、１番・丸田に右前適時打を許し、３点ビハインドとなる。
１点差まで迫った５回からはエース・高橋がマウンドへ。だが、４本の長短打に加え、打ち取った外野フライを交錯により落球する不運な当たりもあり、一挙５点を失った。結果的に５回の失点が勝敗を大きく分けることになった。 打線は、２回に１死二、三塁から７番・住石の二ゴロの間に１点を返すと、３回には無安打で１点を奪い、一時は１点差まで迫った。それでも、５回から登板した２番手のエース・小宅から得点を重ねることができず反撃をすることができなかった。センバツの初戦で戦った慶応との大一番。夏の宮城大会前の最後の練習試合で手合わせしたのも慶応だった。「その時に、森林監督と『甲子園で戦えたら幸せですね。決勝で戦えれば、夢みたいな話ですね』と話しました。不思議な因縁を感じます」。２人の指揮官の願いが現実になったのも、奇跡と言っていいだろう。
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