【独自】親族殺したイスラム国の元戦闘員、今は穏やかな生活願うが…「必要なら戦う」 国際
イスラム教スンニ派の過激派組織「イスラム国」の元戦闘員2人がトルコ国内で本紙の取材に応じ、中東で敵対するシーア派勢力への報復心や、戦闘に再び加わりたいとの意思を明かした。(トルコ北西部 酒井圭吾、写真も)イラク北部モスルでイスラム教スンニ派の一家に生まれ、屋外塗装を職としていた。2003年に始まったイラク戦争で、スンニ派主導のサダム・フセイン政権が倒れると、シーア派を主体とする政府やシーア派民兵がスンニ派弾圧を強めた。男は「証拠なしで拷問を受けた」と振り返る。 シーア派勢力やその後ろ盾であるイランへの反発が暴力に走らせた。11年に中東各地に広がった民主化運動「アラブの春」に呼応し、モスルなどでもスンニ派住民らが蜂起した。「イスラム国」はこれに乗じて支配域を拡大した。男も「正しい国ができる」と信じ、銃を握った。組織加入を拒んだ親族を殺した。 「イスラム国」を離れたのは、住民の行動を事細かに縛る組織の統制に違和感を持ったからだ。喫煙したり、上位の戦闘員を少し批判したりしただけでむち打ちを受けるのを目撃した。女性の外出禁止も「自分のコーラン(イスラム教の聖典)解釈とは違う」と感じた。17年のモスル陥落直前、逃走先のトルコ警察に拘束された。テロ組織員だった罪で起訴され、今は仮釈放中だ。「穏やかな生活が続いてほしい」と話す一方で、イラクやシリアでシーア派系政権が支配を固める状況に怒りを見せる。「シーア派の行為は許せない。必要があれば、戦う」と話した。「アブ・アフマド」と名乗る元戦闘員の男(21)は米スポーツブランドの名が記されたスエットパンツとダウンジャケットの姿で現れた。細身で、どこにでもいる若者に見える。名前は組織から与えられたコードネームだという。「イスラム国」の勢力拡大が報じられると、興味を引かれた。8か月間でイスラム関連の書籍80冊を読んだ。両親に告げず、14年に14歳でシリア北部に渡り、「イスラム国」に入った。2か月の軍事訓練後、「国境」警備の任に就いた。 組織では自爆テロが最大の名誉とされた。「4人の妻を持って子どもを増やせ」とも命じられ、16歳の時、アラブ人女性との結婚が決まる。だが組織は突然、相手の女性をシリア政府の「スパイ」とみなし、破談となった。.




