生誕200年を迎えたラグビーの第10回W杯フランス大会は8日、パリ郊外サンドニで開幕。07年大会以来の母国開催で初優勝を目指す世界ランク3位のフランスが、最多タイ3度の優勝を誇る同4位のニュージーラ
経験したことのない7万8690人の大ブーイングに、思わず笑いがこぼれた。NZが9―8の後半3分、WTBテレアが左サイドでパスを受けてトライ。だが、大型画面に映されたリプレーは、ラストパスが前方に放られたようにも見えた。主審がTMO(テレビマッチオフィシャル)をかけるそぶりはない。フランスの劣勢に拍車をかけるようなジャッジ。スタッド・ド・フランスに詰めかけた約8万人のホームのファンの感情に、一気に火が付いた。
四方から聞こえる爆発音のようなブーイングが耳をつんざく。そしてそのエネルギーが歓声に変わったのは後半15分だ。SOジャリベールが右のWTBプノーにラストパスを通し、プノーが飛び込んで劇的逆転トライ。まさに地鳴りのように、鼓膜が震えるほどの声がスタジアムを包んだ。午後9時過ぎでも29度とじっとりと暑い会場で、ファンは大汗もためらわずに跳んで踊って歌う。NZ代表のNO8、サベア主将が「スクラムのコールや仲間の声が、時に聞こえなかった。いかに今夜のファンが熱狂的だったか」と振り返るほどだった。 “16人目”のフランス代表とともにつかんだ、王国NZと8度目の対戦で3度目の勝利。過去に2度、決勝で悲願の初制覇を阻んだ因縁のオールブラックスから快勝し、国民の期待にまずは応えた。「ホームの開幕戦のプレッシャーはあった。試合を通して落ち着いてハードワークして、いい形で終われた」と主将のSHデュポン。NZにとっては、1987年の第1回大会から出場するW杯で喫する初めての1次リーグでの黒星。歴史的1勝に、国民は酔いしれた。
サンドニのスタジアムは、来夏パリ五輪のメイン会場となる。6万7750人収容の国立競技場と比べても、最上段の席でもグラウンドから距離が近い。一体感ある声援は、武器となる。その力強さを改めて知った、強烈な80分間だった。(大谷 翔太)
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